磁器土を焼く窯の温度計は正しい?

磁器土を焼く窯の温度計は正しいですか?

こんんちは渕野です。

今日は、窯の中の温度についてです。

磁器土を焼いたときに、割れる・へたる・膨れるなどのトラブルについてのご相談をいただいた際、まずお尋ねするのが焼成条件です。何度で焼いているのか、昇温時間はどのくらいか、酸化雰囲気か、還元雰囲気かなどを伺います。

それから原因を推測し、対策を考えていくのですが、最初のステップは炉内の実際の温度の確認です。それは温度計を見ればわかるじゃないかと思われるかもしれませんが、温度計が表示している温度が、窯の中の実際の温度とはかぎりません。

多くの場合、温度計と窯の中の温度はずれています。大きな窯だと、同じ窯の中でも場所によって温度が異なります。

では、窯の中の実際の温度をどうやって確認するのか?

私がおすすめしているのは、リファサーモです。

JFCC 共通熱履歴センサー リファサーモ

http://www.jfcc.or.jp/05_material/thermo.html

リファサーモ
リファサーモ 計測
リファサーモ 計測

これは、窯の中の測定したい場所に置いて焼成を行い、冷却後に取り出して寸法を測ることにより、1℃単位で温度がわかるというものです。ゼーゲルコーンやオルトンコーンが見た目での判断なのに対し、リファサーモは焼成温度の履歴がきちんと数値化できます。(数値化できなくても、ゼーゲルコーンやオルトンコーンは焼成中に確認できるという利点があります)

焼いたリファサーモの寸法を100分の1ミリ単位まで測定し、付属の対応表によって温度履歴がわかります。例えば、21.08ミリだと1291℃という具合です。

このリファサーモを使って窯の中の温度を確認してみると、温度計に比べて実際の温度が高いか低いかがわかります。こうやってお使いの窯の温度を確認することで、思っていたほど温度が上がっていないとか、設定以上に温度が上がっていただとかの現状把握ができ、トラブル対策の次のステップに進むことが出来ます。

まずは、窯の中の実際の温度を確認しましょう。